■ オーバーホール(OH)とは

レギュレターを購入したまではいいが、その後よく耳にするオーバーホールとは具体的にどのようなことを指しているのか? どのような頻度で必要になってくるのか?
まずはそのあたりからステップを踏んでみましょう。
オーバーホール
ご存知レギュレターはダイビングを楽しむ上で安全性をつかさどる最も重要な使用器材の一部となります。
そのレギュレターが将来的にメンテナンスフリーとなればダイバーにとってこれほど楽で安心できることはないのですが、現在のところまだそのテクノロジーの域に達していないのが現実です。
レギュレターはあくまでも工業製品ですし、特に塩の溶け込んでいる海水で「使用」するとなれば必然的に生産されてきたときよりも使用頻度に応じ徐々に製品パフォーマンスが劣化していきます。
それはレギュレターの内部製品が使用する圧縮空気により「酸化」したり、海水の影響からやはり内外部品が塩により「腐食」したり「錆」が発生したり、更に内部に多数使用されているゴム製のOリング類が高圧により「破損」したりしてしまいます。
そうすると「呼吸抵抗」が生じてきたり、「エアー漏れ」「フリーフロー」「破損」といった結果に繋がっていくことは性質上仕方のないことなのです。
本当にごくごく稀なケースですが、最悪の状況が「エアーストップ」という状態になることです。
水中という特殊な環境で使用するがゆえに、上記の症状は結果として最悪な状況を招くことにもなりかねません。
それらを未然に防ぎ、いつでも「快適」に「安心」して「安全」にダイビングを楽しむ上で、
工業製品であるレギュレターを「手入れ」していくことがいわゆるメンテナンスでありオーバーホールサービスだと認識してください。

皆様ご自身が誰でも簡単に出来るのならばそれにこしたことはないのですが、やはりそこには専門的な知識と技術と経験が必要とされることから、私達のような専門家が代理で皆様の使用するレギュレターやその他器材を
「手入れ」していくというわけです。
レギュレターを中心として説明してきましたが、その他「BC」や「インフレーター」「コンピューター」「ドライスーツバルブ」etc、なども同様なことがいえます。
作業ステップ
最後にリークテストを済ませたら、交換したパーツ類のアタリをつけるため1日間寝かせます。再度チェックして問題がなければ完了とされ、この後計測データと共にお客様に返送されます
組み立てが全て終了したら、常用圧力より高い230気圧にて1stの中間圧力をここで調整決定し、2ndの吸気レスポンスと呼吸抵抗値を専用メーターで計ります。この調整作業が最も肝心で、ここで技術者の経験とテクニックが試される部分でもあります
組み立ては、40%までのナイトロックスにも対応させるために高圧部分には通常使用される耐海水性のシリコングリスは一切使用しません。オイル分を全く含まない特殊グリスを使用し、経験と技術により一つ一つ丁寧に手作業にて組み上げられていきます
分解されたパーツは、大型の超音波洗浄器と2種類に分けた特殊洗浄液にて2度洗いされ、ここで完全にグリスやオイル分と緑錆などを取り除きますこの時点でナイトロックス使用時にも関わってくるハイドロカーボンも取り除きます
まずは異常な箇所がないかを確認しながらメンテナンス専用の特殊工具を使用して1st,2nd,Octo,Spgと順に必要な箇所全てを分解していきます。当然分解するのにもちょっとした技術が必要となります
Step 5 : (仕上げ)
Step 4 : (調整)
Step 3 : (組み立て)
Step 2 : (洗浄)
Step 1 : (分解) 

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